香の香気成分の分析 (1)

塗香の臭気成分分析

沈香や白檀、伽羅などの香木は古くから仏教や香道で使用されている香ですが、現在はそれらを線香に加工しアロマにも使用されています。また、寺院では参拝時に塗香として直接手の平などに塗布し香りを楽しむ事もあります。

 香道などに使用される香木は、微細にされ200℃程度の雲母の上に置き香りを嗅ぎ分けたり、寺院では微細な香木を香炭の上に置いたりします。そのため、香道などで感じ取る香りは香木の熱分解生成物であると考えられます。

 そこで、常温で香りを感じる塗香の香り成分と、常温では強い香りを殆んど感じない沈香の香木、更に沈香や白檀を練り固めた線香の低温での発生ガス分析を行いました。

香りの抽出と分析方法

試料の香を50℃に加熱したバイアル瓶に入れ、20ml/minのN2ガスを使用して発生ガスを捕集剤(Tenax)に15分間捕集しました。その後、捕集剤を230℃に加熱した熱脱着装置に入れ、捕集剤に捕集された発生ガス成分の熱脱着を行い、GC/MS分析を行いました。

分析条件

  カラム: WAX  0.25㎜ID×30m  0.25μm

 オーブン温度: 60℃(3min Hold)-180℃( 5℃/min)-200℃(10℃/min)

  スプリット注入

二種類の塗香の臭気成分分析

 塗香A及びBを1gそれぞれ量り取り、バイアル瓶に入れ室温でN2ガスにて10分間捕集剤にトラップし、熱脱着装置を使用してGC/MS分析を行いました。Aは強い臭気があり、Bはソフトな臭気がある塗香です。

1. Camphor 2. Bornyl formate 3.Bornyl acetate 4. Caryophyllene 5.1,5,5Trimethylbicyclo[2.2.1]heptan-2-ol 6. Isoborneol 7. Borneol  8. Propenylanisole 9. 3-Phenylpropenal 10. Isopropyl Myristate  11. Caryophyllic acid

1 Acetic acid  2. Copaene 3. Camphor 4. Maaliene 5. Aristolene 6. Bornyl acetate 7.Calarene      8. Caryophyllene 9. 1,1,4a-Trimethyl-5,6-dimethylenedecahydronaphthalene 10. Isoborneol        11. Borneol  12. Phenylpropenal 13. 2-Methoxy-4-propenylphenol 14. 3-Ethoxy-4-hydroxybenzaldehyde

塗香A及びBはIsoborneol及び Borneolが主成分である事が分りますが、ソフトな香りがする塗香Bからは微小ピークが多く検出されています。 以下に塗香A及びBのR.T.5min~40min 間の比較TICを示します。

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