テレビやパソコン、計測器等のディスプレーに使用されている液晶には、アゾメチル系、ビフェニル系、スチルベン系、アゾキシ系、アゾ系等の多くの化合物があり、約3500種類ほどの液晶が存在します。また、これら液晶は単体で使用されることは少なく殆どの場合、複数の液晶の混合で使用されます。ここでは、2種類の液晶のGC/MS分析と、LCによる各液晶の分取例をご紹介致します。また、MSライブラリーに掲載されている化合物の検索結果を下記に記載しました。
GC/ MS分析
液晶の分取
液晶化合物には、基本骨格を同一としアルキルやフェニルの結合数が異なるオリゴマーが多く存在します。また、単一化合物のオリゴマーだけでなく、複数のオリゴマーが存在している場合があります。GPCモードは見かけの分子の大きさで分離しますので、オリゴマーの分離には適した方法です。このGPCモードは
- 試料負荷量を多くすることが出来る
- 最初多少分離状況が劣っていても、リサイクル分離等を組み合わせると良好な分離を得ることが出来る
等の優れた特徴があります。しかし、
- 分離に長い時間が必要になる
- カラムの種類によっては移動相に制限がある
等の問題点もあります。
一方、疎水性相互作用による逆相モードは、移動相の組成を変えることにより試料の保持係数kを自由に変えることができます。また、分離中に移動相の組成を徐々に変化させるグラジエント法も適用できる利点があります。しかし、試料負荷量が少なくなる問題点もあります。
ここでは、2種類の液晶を逆相モードの分離例と、GPCカラム使用しての分離比較例を紹介します。